Fred Kaps' Cups and Balls
『Fred Kaps' Cups and Balls
As taught by Fred Kaps to Trevor Lewis
Edited by Anthony Brahams with Jim Adams』, 1995, 書籍(電子書籍)
書籍(というか小冊子)としての正式名称はこれであってるのでしょうか。
「好きな手品師は?」という質問があったら必ずと言っていいほど候補に上がり、上がりすぎて質問の意味がなくなるため、別の回答を探さなければいけないというテジナ界の殿堂入りマジシャン、フレッド・カップス氏のカップ・アンド・ボールの手順を解説した小冊子です。
カップス自身が書いたものではなく、カップスがトレバー・ルイスという人にこの手順を解説し、氏がカップスの演技のビデオをみつつメモ書きしたものを元に編集されたもののようです。Lybraryによればジム・ライアン氏のルーティンに似ているとか。こちらは見たことないのですけれど。
内容はというと、3つのカップを使う、全7段からなる本家に負けず劣らずのめっちゃ長いルーティンです。
演技動画は(画質悪いけど)YouTubeで見ることができますが、なんと約6分半。長い。でも初見は見入ってしまってわりとすぐ時間が過ぎました。
特徴的なのはニットボールではなく、45ミリ程度のスポンジボールを使って行われるという所です。これによりニットボールでは使えない技法などを使い、中々に不思議で斬新なルーティンになっています。
解説ではセリフが載っており、喋りながらやるようになっていますが、動画では音楽に合わせてやっています。この手順のままやるなら、その方が良い気がします。
ただやはり長いので、好きなところを切り取り、組み合わせ、短い手順を作って喋りつつやるのが無難かもしれません。
スポンジボールの手順なんかとあわせることもできそうですし、いろいろと試しがいがありそう。
読みながら気づいたのですが、冊子の説明と、動画の動きは所々違いました。まあこれはうまく読めてないだけ説もないではないのですが。
で、これはどちらもヘンということはないですが、やはり動画のとおりの方がいいと思います。
自分用に珍しく(適当だけど)完訳しました。そして自分で勝手に注釈を15個くらい追加しました。テキストはこうだけど動画はこうだぜ、みたいな。
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ところでフレッド・カップスは諸事情によりものすごく資料が少ないですよね。
書籍もほぼないし、動画がわずかにYoutubeなどに残っている程度です。
あるところにはあるのかもしれないですけど。
個人的にはカップスが行ったカニバル・カードやリング・フライト、そしてカラーチェンジング・ナイフの実演を見てみたかったのですが、残念ながらネット上では発見できませんでした。あ、あとチャイニーズ・ステッキも。ぐぬぬ。
ただ、今すぐぱっと見られる動画、どれをみても大体全部面白いです。不思議だし。
この人に関しては本当に、解説などよりも、演技映像がたくさん見たいです。
いやまあ、映像より目の前で見たいのですけどね……