緒川集人レクチャーin札幌(3月31日)後編
前回の続きです。
20分ほど休憩を挟み、後半が始まりました。
ここから怒涛の(事前に募集していた)リクエストの消化フェイズが始まります。
6 3枚のコインのプロダクションルーティン2種
ギミックを使うものと使わないものの解説。
→見た目上ほぼ同じことをギミックとノンギミックで。その中でSコインの使い方についてもワンポイントをいくつか紹介。
この辺りのことはちょうどルーティン考えてたこともあり、参考になりましたね。
2種のうち、僕はギミックありの方が気に入りましたが、この後続けようと思うとレギュラーのみもいいかも。
7 マトリックス祭り
リバースとかSコイン使うのとか。
→マトリックス見すぎてどれがどれだったか既に混乱しつつありますw
「ギミックとスライト合わせたらもー暴力的ですよね」
本当にそう思います。しかもそれがスライトめちゃできる人がやったらそれはそうなりますよ……。
バックファイアというかリバースというか、このコインが元に戻る現象、最近までごく一部を除いてほぼ全く不思議に見えたことがなく嫌いだったのですが、これは不思議でした。やってみたい。
8 ストールンカード
ここでまさかのストールンカード。
→やっぱりいいなぁ。受けが良く、簡単なジェミニツインズそのままに、起きる現象が追加された(ように見える)傑作です。
緒川さんは「コスパが良い」と言っていました。確かに。
9 コインシデンス
ジェミニツインズ現象にオチを加えた(ほぼ)セルフワーキング手品。
→前作品の流れでもうひとつジェミニツインズ。所々に緒川さんなりのこだわりを感じました。いい作品だと思います。
途中で「あートップとボトムをこう、出します……コレなんだっけな」と「例のシュッってやるやつ」をやっておられました。別名ホブジンザートスとかいう名前だった気がするアレです。
やはり「シュッってするやつ」はワールドクラス。
10 フォーオブカインドのプロダクション2種
ちょっとカッコイイプロダクション。
→まとめてみて改めて思ったのですが、緒川さん、同じようなプロットに別の解決策を当てること多いんだなぁ。多分この辺りも「マジック」と「トリック」の考え方から生まれたのでしょうか。
どちらも(珍しく)簡単です。スタイリッシュさがアップした方が若干の難しいかな? 僕はスタイリッシュさを抑えた方のが好きですね。準備も簡単だし。
11 ナード祭り
リクエストによりナード。
→ナード(めっちゃ難しい3枚のコインルーティン)をその歴史と場所による組み合わせ、種類の解説を呪文を唱えるようにしつつ、さらに最後はこれを4枚でやっておられました。
MPで手の甲に飛ばしつつ、例の腕の上をアレする技法をしながら、
「これで4枚でもできるんじゃないか? と考えました」
僕は理解するのを諦めました。
12 ニンジャリング
リクエストによりニンジャリングルーティン。
→リングをマットでくるくるっとまわす時点で周りが「おおーっ」。皆訓練されているようです。
動画よりべらべらぼーに綺麗でした。
お客に繋がったリングを残すスイッチは初見でした。どこかで解説されてましたっけ……?
13 ミスディレクションとオフビートのお話手品2種を添えて
オフビートって? ああ!
→まぁこの辺まで来るとだいぶ頭もゆだってるわけですが、いわゆるオフビートってなに?という超抽象的な質問に対する緒川さんなりの考えと回答。
正直ミスディレクションとオフビートの違いはあまりしっくりは来ませんでしたが、意識させるミスディレクションと意識させないミスディレクションについては、兼ねてから考えてたことにはまりました。
テーブルからスチールするジャンボとカードケースは両方ともめでたく引っかかりました。
何気にどっちも難しくないですか……。
14 ロープ
ロープルーティンとロープカットの大胆でしかし不思議な方法。
→ロープ! タバリのアレンジはとても不思議でした。三動作を一動作(?)にしたことでやや簡単になっている……ようです。
「ロープは長ければ長いほど良いが、ルーティンは短い方が良い」
僕もそう思います。
15 ダブルマトリックス(演技のみ)
ついに終わりか……と思いきや、
「用意してあるんですよ」と使っていたテーブルマット……の上半分だけを持ち上げる。
するとなんとそこには同じテーブルマットとコインが4枚隅に配置されてるではありませんか!
「利き手の左手怪我した時にどうにか右手だけでできないかと考えたのが始まりで」とのくだりで始まる、右手左手それぞれでマトリックス。
まさにトドメのようなラストでした_(:3」z)_
また終了後の懇親会でもらむしゃぶそっちのけで色々と面白いお話や手品をして頂きました。僕のリクエストもその場でやってもらいました……フクロウ持って行ってよかった。
コンテストについて必要なこと、マジックをどう作るか・自身が思う良いマジックとは、感情曲線のお話と他の芸能と被るところ、手品本の良さや今後の展望など、多岐にわたって語り尽くして頂き、大満腹……というか食べすぎの1日となりました。
リクエストを全部消化したこともあり、かなり詰め込んだ感じで、個々の解説はさらっとした所もありました。
が、やはりパワーが凄まじく、多くの人に刺激があったのではないでしょうか。これは影響受ける人増えるのも頷けます。
手品の作り方の話が個人的にはとても面白く、例としてこっそり考えていた「雪山の怪談」の話が出てきてどきりとしました。自分なりに1つ作りたいなぁ。
やったみたいなぁと思うものもいくつかありましたし、しばらくはレクチャーの理論をまとめつついくつか練習してみようと思います。