テジナの泉

手品関係のほぼ自分用備忘録として。

緒川集人レクチャーin札幌(3月31日)前半

というわけで、プロマジシャン緒川集人氏のレクチャーに行ってきました。

 

緒川さんといえば、やはり超絶技巧のイメージが強く、またあれやそれやもあって今まで何度かレクチャー・ショーなどあったにもかかわらず、参加を後回しにしており、緒川さんのイベントに参加するのは今回が初めてのことでした。

 

 

で。

感想ですが、すごかったです(小並感)

 

 

代名詞?の技術力もさることながら、マジックの作り方、構成の考え方など理論的・哲学的な部分も十分に語っていただき、さらに「コストパフォーマンスのよい手品」を考えるのに重要なこと(その結果生まれる手品が誰にとってもコスパがいいかはさておいて)など、僕はむしろそちらの方の話が楽しめました。

 

全体的には中級者以上向けのレクチャーだったと思います。

技術的な難しさもそうですし、理論も面白く参考になりましたが、内容は高度で概略というか、広い部分をカバーするようにお話していたので、初心者などにはその内容を噛み砕いて理解するのには少し時間がかかりそうです。

 

休憩挟みながらとはいえ3時間近く、その後の懇親会でもほとんどトークしていたので正味5,6時間は喋りまくっておられました。ありがたい限りです。本当にお疲れ様でした。

 

以下内容備忘。

 

1 8カードブレインウェーブ+暴力的なブレインウェーブ

8カードBWのプレゼンテーションとCFを用いたブレインウェーブを例として観客とのかかわり方、そしてマジックの作り方、その考え方のお話。

→いきなりごついのがきました。いやまあごつくないのが珍しいくらいでしたが。

現象として完成しており、(ほとんどの)観客にうける、好むのが「クラシック」。ではそれを活かしつつマジックを作るには…というお話。

また緒川さんは手品の現象を「マジック」、裏の仕事を「トリック」と区別していました。この言葉はともかく考え方は色々な方が自身の理論を語っていますが、緒川さんの説明、かなりわかりやすかったですね。

 

2 ジャンボカードの3カードモンテ

「お金をかける」パターをカバーとするめっちゃクリーンな3カードモンテ。

→これ一番気に入ったかもしれません。よく知られている例のアレを、あれにあれすることで改めを可能とするナイスな手順でした。しかもさりげなくやられたスイッチにまったく気づかず。

 

3 マトリックス2種とシャドーコイン2種+コインの質感

「コインの質感」を出したり逆に消すことでどういう効果があるかのお話。そして例としてマトリックス2種とシャドーコインというルーティン2種。

→(スチールのタイミング間違えて)「あれこれ違うな……。いやマトリックス20種類くらいあって…間違っちゃうなw」

そんなにあるんですかw シャドー含めどれもよかったです。特にシャドー不思議でした。解説見て「うわ完全にやられた」と思いました。こういうさりげなさとミスディレクションっていうかオフビート使いかた強いなぁと。

練習してやってみたいと思わせる手順でした。

 

4 CFの詳しい解説と練習方法

→30分くらいかけて濃厚な解説。CFの技術・心理・練習方法をここまで言語化して詳細に解説受けたのは初めてです。物理的・心理的・哲学的(心理要素とかぶる場所も多いですが)なパートに分け、旧式と現代式の違い、現場による違いなど交え、手品人同士での練習方法やエチュード的なマジックを踏まえながらの解説でした。

 

僕はCFやPFについて、かなり懐疑的な方なのですが、細かい動き、心理的な策略、アフターケアと観客のマネージメントのことも含めて詳細に解説しており、なるほどこれは練習してみたくなるなぁと思わせる内容でしたね。

CFさせた観客は人によって納得しないかもしれないけど、外形上引かせた感がほぼしないので、その人以外へのインパクトはすごそうです。

「カードを引くという行為はドアを開けること」という話はなるほどと思いました。

 

5 オイルアンドウォータールーティン

3枚3枚→20枚→全部という3段構成のオイルアンドウォータールーティン。

→「コスパがいい(PF合計8回)」のなかなかに暴力的な手順。まあ6回は省略できるのですけれど。

 

1段目2段目は難易度がかなり低く、やりやすいもので特に2段目は簡単。

でも次の現象の準備になっていたりして面白い手順でした。

途中の部分でちょっとだけハートリングを思い出しました。

 

 

CFの解説に時間の大半を使っていた気がしますw

ずーっと喋ってて、しかし終始笑顔で楽しそうにしておられました。

しかし本当に難しいこともなんなくやるなぁ……しゅごい。

 

前半はここまで。

後半はまた別に書いてみようと思います。