サムライマジック!
1月14日。
マジックキャッスルから、アンドリュー・ゴールデンハシュ氏(+柳田氏)が来日し、なんと札幌でショー!
ということで主催のマジックバーTrickに行って、見てきましたよ、ゴールデンハシュ!
ゴールデンハシュについては、かなり前にテレビでキャッスルの特集を見たときから好きで、中でも「サムライマジック」は最高でした。
そして、今回もやってくれました。
長い髪を束ねちょんまげの形にして「サムラーイ!」そしてそこからウサギが……
本当感動しました。
◇◆◇
ショーの内容としては、まず前座として柳田氏がカードマジックをいくつかやりました。あ、あとニンジャリングも。ニンジャリングは流石のうまさでした。これは不思議。
ただ他は見づらかったりなんだりしてちょっとショーとはいえないんじゃないかと思いました。まぁ最後にエニエニをミスしたこともありましたが……。(※アジウィンド氏のエニエニと完全に同じに見えましたが、氏のDVDに載せた自身の作品だそうです)
やることを事前に決めてなかった印象もありました。
次にメインのゴールデンハシュ。
前述のサムライマジック!はもう大拍手。
そしてこのほかに、指の動きの練習を「イッショ」にやり、さらに最後はよくある拍手のフリへ。
これやる人そこそこ日本でもいる気がするのですが、大体「笑ってあげてる」感じになってる気がするので、正直あんまり好きじゃないです。
ただゴールデンハシュは「ラモス」ネタ(ずるい)挟んだり上手いカタコトの日本語挟んだりして楽しい雰囲気を作るのが大変うまかったので、そこまで気になりませんでした。本当に雰囲気が良い。
そしてコインの美しいプロダクションから、マイザーズドリーム。
複数枚のアレはめっちゃびっくりしました。
さらにお客さんを立たせて耳からマンモスコイン。が、2枚。しかも分厚い。
「え……一体どこから出てきたの……」とすごい衝撃。ふ、不思議……。
「インドのマジック」と称して針飲みのルーティン。これも、危険術は見るの好きじゃないんですが、ゴールデンハシュはあまり気味悪さというのが少なく、見てられました。
しかもやっぱり不思議。
手袋や小道具もちゃんと考えられているなぁと感じました。
最後は思い出のマジックということで、コインのチンカチンク的な何かのルーティン。
これも不思議でしたね。
派手さで言えばもちろん前の手品に劣る訳ですが、お客さんの反応は他のものとそこまで変わらず、大きな拍手がありました。
音楽もあって素敵。
僕も大体「うぉぉ」ばっかり言ってました。
すごい。
◇◆◇
とにかく全体を通して雰囲気が良く、さらに不思議で楽しいショーでした。
時間は1時間程度でしたが、十分満足、今まで目の前で見たマジックショーの中では、1番よかったかもしれません。
見れて良かったです。
強いて言えば、ピンマイクがあっても良かったんじゃないかなと思います。音響の大きさも途中で下げたりしたみたいですし。
また通訳もほぼ無く、会場にいた人の一部は後半なにを説明しているかわからなかったんじゃないでしょうか。この辺もせっかくクライマックスについて語りの導入をしているのにもったいないなぁと感じました。
まぁ、日本語もちょこっと挟みつつで、ほとんど平易な英語でしたし、視覚的に見ればわかるのですけれども……。
いやしかし良かった。
もしまた来日することがあれば、またショーが見たい。そう思うグレートなマジシャンでした。
次は誰が来るのかな……楽しみです。
あけてました、おめでとうございます。
2019年ですね。あけましておめでとうございます。
はい、なんかもう4ヶ月くらい放置してました。
今年は最低でも月一回くらいは更新したいなぁと思っております。(抱負その1)
その他抱負としては、
・ルーティン作る
・1日1ジョビー(Hidden Agenda)
・データベースチャレンジ
・本読む
・本書く
・翻訳一冊
・レクチャーイベントなど3、4回開く
・名古屋、金沢、長野、大阪、箱根どれか2つくらいは行く……!
そして基本的には読んだテジナ本やDVD、動画のレビューとイベントの告知、感想などと、今までと変わらぬ感じでやっていきます。
よろしくお願いします。
◇◆◇
さて、2018年を振り返ってみますと、
交流会を立ち上げて2年目になり、毎月1回以上、なんらかの交流イベントなどを開けましたし、色々なところに顔出しもするようにして、個人的には満足の年でした。
強いていえば、やはり本州の方で行われるコンベンションや箱根やらレクチャーイベントに行きたかったり、名古屋や金沢に行きたかったりしました。長野も。
とはいえこの辺はマネー的にも厳しいのでどれかセレクトしないといけないのですけれど。
マジックマーケットに初めて単独で出展することになり、多くの方に拙著を買っていただきまして、大変ありがたく、そして良い経験をさせてもらいました。来年もできたら……出したいですが、まだ未定です。
おかげさまで刷った分はほぼ完売となりまして、数部を残すのみとなりました。ありがとうございます。
4月にはふーさんこと堀木さんに。
そして秋には、札幌にみんな大好きマジオン代表の野島さんに来ていただき、とても濃厚なレクチャーもしていただきました。そしてご飯ツアーしました。美味しかったです。次は牡蠣行きましょう。
しかし10月を過ぎたあたりから忙しくなり、地震とかもありつつパソコンがお亡くなりになったこともありまして、せっかく買った本やDVDもなかなか消化できない時間が続いているうちに、年末、そして新年を迎えてしまいました。
なんてことだ。
年末年始もなんだかんだありまして、ここ数日では結局本2冊、DVD1枚と消化ペースもイマイチ。とはいえなんかテジナ熱は全く冷めていないので、これからも色々消化しつつ考えたり、イベント開いたり、あちこち行ったり、できれば翻訳したりしながらテジナ道を邁進していきたいと思います。
◇◆◇
あ、これもやっておきましょう。
2018年買ってよかった手品関係のもの。
・Card College Light 日本語訳版
https://magic.theshop.jp/items/10204275
最高のセルフワーキングトリック集。しかもルーティンになっています。いま絶版でメルカリとかでやたら高く売られていますが、再販するとかしないとか……。
学生手品人はほんとこれ読んで学祭とかでやるだけで、たまにくる偉そうなOBとかを蹴散らせるのではないでしょうか。
・High Caliber 日本語訳版
https://www.amazon.co.jp/ジョン・バノン-カードトリック-HIGH-CALIBER/dp/4490209940
ジョンバノン好きなら購入一択のスーパー良書。原著は絶版もう買えませんし、どこぞのオークションでは400ドルくらいの値がついてました。そう考えたらお得……!
いやでもまじでいいトリック集なんですよ。
年末までわずかな時間ながらかなり人に見せた気がします。
Riverside Poker始め名作ぎっしり!
・The Dapper Deck Deluxe Set
https://www.vanishingincmagic.com/magic/magic-accessories/the-dapper-deck-deluxe-set/
多分初めて買ったデラックスセット。
Dapper Deckはもともと気になっていて、衣装的なハンカチーフやネクタイも探していたので、タイミングよく購入しました。セールで安くなってましたしね。
箱もアクセサリーも綺麗だしデックの質も最近よくでてるCrushed Stockで悪くなく、デザインも大変気に入りました。
欲を言えばもう少し箱の容量があって軽ければなぁ……と思いましたが、まぁ高望みでしょう。
・The Books of Wonder 2巻セット
http://www.penguinmagic.com/p/1263
伝説の名著。まさかの再販。
うおおおおって速攻ポチりました。
そのくせまだ全部読めてないのですが。
こいつも絶版でセットで400ドルだったりン万円で売られてたりしました。
トリックだけでなく理論の項も大変参考になり、というかそこがメインみたいなところあります。
これちゃんと訳したいなぁ。
・FIVE CARDMAGIC ROUTINES, Gabi Pareras
https://gkaps.com/store/p/five-cardmagic-routines-145.html
みんな大好き激ウマガビおじさんの5つのカードトリックの解説。
どれも面白い。特に気に入ったのはケンタウロスとセイレーン、そして即席オイルアンドウォーター。
とにかくうまい。なにもかも。
彼の考える「フィクショナルマジック」に根ざす独特の表現は真似できないとしても、とても不思議。
5個だけあげるならこんなところでしょうか。
他にも良かったものはありますが……。アジのあれとか。
今年はヘルダーのあれが待ち遠しいですね。
そしておそらく最近買ったハラパン氏のPrincipiaが入ることは間違いないだろうと思います。読むのが楽しみです。
◇◆◇
とまぁ長々書いてきましたが、手品的には充実しつつあるなぁと思いました。
あとはもっと道外からマジシャンに遊びにきてもらえたらなぁと思ってます。招きたい方もいますし。
ということで、本年もよろしくお願いいたします。
ひげからなんでも
9月2日(日)は「ひげからコイン」でおなじみのジョニオさんと、「ブサイク界のイケメン」まんぼうさんによるダブルレクチャーでした。
ジョニオさんについては実際の演技を見るのは初めてでしたが、やはりとても上手かったです。また声の通りと感じが良く、とても聞きやすいことが印象に残りました。
失礼ながらDVDのときはあまりその良さを感じることができなかったのですが、やはり生だと色々と違いますね。
まんぼうさんの出番はあまり多くは無かったのですが、観客との掛け合いなどが面白く、そこはやはり流石だなと思いました。
あとは要所要所でお手伝いや合いの手を入れたりしておられましたね。
3時間、楽しい時間でした。
以下ざっくりと備忘メモ。
1.ジョニオさんパート①
○ウィアードムーブサンドイッチ
カードを立てて行うサンドイッチで、セレクトカードが、まるでスレッドで動かしているかのような独特の動きをして現れます。あまり見ない動きで楽しく、しかも簡単にできます。
…とはいえ振りながらそのままずらして出現でも良い気がするで、これを使うならいかにもインビジブルスレッドなマイムをしてやるのが良いかも知れません。アニメーションとしてとても面白いです。
元はサンダーバードで使おうとしていたのだとか。なるほど。
○4枚のAだけ選手権
ツイッターで話題に上っていた、いろはさんという方が主催した「4枚のAだけ選手権」に投稿しようかなぁ…と思っていたルーティンだそうです。
色々な理論、エッセンスが入っており、レクチャー素材として良かったようです。
実際かなり参考になる部分があり、特に個人的にはかねてから疑問があった「ルックアップ」のある問題点について回答してもらい、「なるほど」と思いました。
このあたりは「ミスディレクション」と同じような問題が起こっている気がします。
肝心のルーティンは最初見たときは難しいと感じましたが、説明を聞くにつれて意外と頑張れそうでした。
ここで用いられているスナップディールっぽいもの(ウォンドのフ○ップバニッシュに近い動き)と、カードのフェイクパスは特に有用だと感じました。
練習して使っていきたいと思います。
「パイルの理論」のお話で、遊戯王の死者蘇生の話が出るとは思いませんでした。
今では第2の手札とまで言われてますからね。遊戯王の墓地。そういう意味でもぴったりかも。
まぁ実際の遊戯王はめっちゃ墓地に注視するんですけどねw
○コインアクロスを素材として手品師を騙す2アヘッドとかのお話
このあたりの似たようなことは堀木さんレクチャーの時も話していたところで。やはりミゲルはつよい。
実際の解説では「ここでカタパルトを2回…(ヒュンヒュン」で会場からちょっと笑いが。
上手くて。
またコインを消す前にどこに意識をおくか、という点は大変参考になりましたね。
このあと質疑でROPSやリテンションをさらっと解説して、まんぼうさんにタッチ。
あ、ストールンデックのルーティンやってたのでした。これも良かったです。レナートグリーンとはまた違う演出で。
2.まんぼうさんパート
○ガイドカードなしのアウトオブディスワールド+コスモス的ななにか
意外にも(失礼)賢そうな原理とギミックを使うすごいルーティンが来ました。
ちょっと最後だけ失敗してしまいましたが、不思議。
いろんな人のをいいとこ取りして合わせたと言ってましたが、本人のしゃべりも相まって楽しく不思議な手品になってました。
ある仕掛けをするのですが、これがとても秀逸。そしていろんな意味でお安い。
ただ早くも細かいところ忘れかけてます。あとで聞いたら教えてくれるかしら…
「超一流のマジシャンは混ぜてるときカードを落としませんから。落としたら3流です(カードぽろぽろ)」
この辺りの流れは流石だと思いました。
○パレット、とと合わせなど持ってきていた商品の紹介。
とと合わせちょっと欲しいかも…まんぼうさん曰くAmazonでどうぞということなのでそちらを見てみます。
パレットの虹色!については自分も同じ体験をしたことがありまして、自作のものにも一応虹色をいれてあります。
あ、そうそう「パレット」などで巷で密かなブームとなったASISのパロディ冊子があるんですよ(ダイマ
https://www.magichouse.biz/SHOP/ma-0236.html
まんぼうさんはここでおしまい。
色々しゃべりたいところでしたが、まあそれは九州にいったときに…いくかなぁ。
3.ジョニオさんパート②
このパートは手順解説よりは、理論がメインで、特に、ショーやコンテストで
①なぜある手順を、どのタイミングでやるのか。
②このトリックの意味、役割とは。
③これを踏まえて、どのように構成していくか
というところを解説しておりました。
自分のキャラクターの紹介の話など、ショーやコンテストをやる方はとても参考になったのではないかと思います。僕もこういったことを踏まえてやってみたいなぁと強く思いました。
トリックとしては、
○ひげからコイン・ペン・ジャンボコイン(!)
○サムタイグラス
○ピットハートリングの不可能に見えるカード当て(かしこい
○ハーフフュージョン
といったラインナップで、
ひげからコインは本当にすごかったですね。たぶんひげがギミックになっているのだと思います。
サムタイグラスもよくできていて素敵でした。
ピットハートリングのこれはIn Order to Amazeあたりで解説されてるのかしら。こっちは原本持ってないのでわからんですね。
ハーフフュージョンはレギュラーで臨機応変にできるちょっぴりテクニカルタームが増えたアニバーサリワルツ手順。やっぱり両面にサインするコンセプトは好きです。
僕はダブルブランクデックを使った、グレゴリーウィルソンのPoint Blankを好んでよくやっていますが、レギュラーというのはよりフットワークが軽くて魅力ですね。
トリックの走攻守の話も…と語ったらきりがないですが、総じて楽しいレクチャーでした。
ジョニオさん、まんぼうさんありがとうございました。
札幌手品人交流会(9月29日)とりのす(仮)
札幌はもう涼しいです。
マジケの熱を冷ますにはちょうどいいかもしれません。
さて、8月、9月は、定期交流会「すづくり」はお休みなので、代わりに交流会&プチイベントを企画いたしました。
今までだらっと手品会とか適当に名前つけてたんですけど、一応サークル「とりのす」っていう名前をマジケで作ったので、こちらを採用しておこうと思います。まぁ名前は変わるかもしれませんが。
札幌手品人交流会 とりのす
日にち:9月29日(土曜日)
時間:13時~適当
場所:札幌市北区民センター 三階会議室
http://kitakuce.sakura.ne.jp/access.html
今回は各所が混み合っていて、いつもの場所が取れずここになってしまいました。申し訳ないです。とはいえ、最寄駅は札幌駅から地下鉄南北線で3駅の北24条駅、そこから徒歩5分~7分程度です。アクセスはそんなに悪くないところだと思います。
参加費用は皆さん一律500円でお願いします。
さて、今回は通常の交流会に加えて、14時くらいからを目安に以下のプチイベントをやります。
・プロット選手権
あるプロットについて、手品を披露してもらいます。
既存でもギミックでも自分の改案でもなんでも構いません。
第1回のお題は「トライアンフ」です。
・マジシャン選手権
あるマジシャンの作品を(なるべく)そのままやってみようというものです。
第1回のお題は「ダイ・バーノン」です。
とはいえ、これだけでは結構しばりが厳しいような気もしたので、「エドワード・マルロー」「ポール・ハリス」もアリにしました。皆さん巨匠ですね。
・道具選手権
ある道具をテーマに手品を披露してもらいます。
第1回のお題は「日用品」です。
輪ゴム、指輪、ハンカチ(シルク不可)・・・いっぱいありますね。
これ日用品?というキワドイ所をせめたものは来ている人の多数決で決まることになります。たぶん。
で、来ている人それぞれ1票ずつ入れて1番良かった人に僕が用意したちょっとした景品をお渡します。
各選手権に参加するかどうかは自由で、見る専もアリです。2つに参加して1つ参加しないという方法もOKです。
イベント終了後はいつものように自由交流会になります。
あ、もちろん出入り自由です。
ただ定員14人までなので、できれば参加希望の方は事前に僕までご連絡いただけると助かります。
以上です。
楽しい交流会にできればなと思っております。
よろしくお願いいたします。
スタンダード+αなレクチャー!
8月26日はゆうきともさんの、1DAYマジックセミナー ということで、1日手品漬けの日でした。
濃厚な1日でした。
今月マジケやってテンヨーいって手品人と会議室行って、このイベントやってそして9月にはすぐジョニオさんとまんぼうさんのイベント。濃厚過ぎですね。でもありがたいことです。
どうしても北海道という場所はアクセスがよろしくないですからね。外側からどんどんと風を取り入れていきたいところです。
あとゆうきさんのイベントにもかかわらず僕のマジケのノートを置かせていただきまして。5冊だけ持って来たのですがありがたいことに全てお買い上げいただきました。買っていただいた方、ありがとうございます。
それはそれとして、以下レクチャーの備忘と感想です。
1:クロースアップ・ワークショップ
6人だけでじっくりと手品を学びます。
今年3月に下関から札幌に越して来たばかりのマニアの方もいらしてました。
ちょっと気になるデック、コパッグを持って来ておられたのですが、触らせてもらうのを結局忘れてました……。またの機会に。
→チンカチンク2種はどちらも簡単で、とても良いものでした。大体の人は少しの練習ですぐにできるようになるでしょう。
一組で演じる「Do as I do」について、演出と注意点に触れ、それも参考になるものでしたが、ここで用いられたキーカードが面白く、大胆ですが、普通に引っかかりました。使おう。
途中途中で話が由来の話のため脱線しつつも(僕にとっては面白い話でしたが)ツイスティングジエーセスの演出とちょいとマニアックなジャンピングジェミニルーティンで〆。
時間が押してジェミニはさっくりとした形になりました。
濃厚。この時点でまだ2つもあるのかとすでに戦々恐々としておりました。
2:クロースアップ&サロンマジック セミナー
20人くらいに増えてサロンで使えるマジックのやり方や細かな見せ方のお話。
テリー・リンのセブンペニートリックのアレンジからはじまり、消耗しないロープ切り「ショートカット」やとても簡単なワイルドカード、ちょっと意表をつく4カードオープナーなどバラエティに富んだ内容でした。
→セブンペニーは意外としっかり学習した人、少ないんじゃないでしょうか。結構不思議です。全体を通して、フォーカスをぶらさない話をよくされており、以前もその話をされた時からこれは注意するようにしましたね。
とても大事ですよねー。ステージマジシャンの方はそれなりに意識してできている人も多いとは思うのですが、やはりきちんとされてる人は少ない印象です。
そしてロープを持ってきている人少なすぎでした。いやまぁ僕も忘れたのですけど。後輩の子は持ってきてました。優秀。
オープナーはショーに使いやすい感じですね。動きもやりとりも少しコミカルです。
3:クロースアップルーティン・レクチャー
ルーティンの構成の仕方、実際の手順を解説含めて詳細に解説。
30人くらいいたんじゃないでしょうか。大人気。
20分のショーを作るって大変です。
そういうショーをどう構成していくか、その流れの基礎なんかを解説してくれました。
こういうのも結構適当な人多いですよね。僕もですけど。ひとつの例として、とてもわかりやすい内容だったと思います。ショーの中でのサインカードの取り扱い方については参考になりました。
個別のトリックでは、前から気に入らなかったサインドカードの例の動きに、ラストトリック的な形を足すのにはすごい感心しました。なるほどなと。奪還のプロットも面白かったですね。
解説中に「パチパチ認めない宗派」という言葉が1番笑いましたw
某カードゲームのパチパチメタジャッジキルというのを思い出しました(関係ない
最後に一般のお客さんを入れ、ミニ手品ライブをしておしまい。僕も少しだけ演じさせていただきました。
やり始める前まで緊張してなかったはずなのですが、座ったら突然やたら緊張して焦りましたw
まぁ、ずっとそこそこやってる手順をしたのでなんとかなりましたが。
某ドイツおじさんに感謝。
打ち上げでは作家の方がいらしており、手品の話と推理小説の話ができたりとこれがまた面白く、他の業界の話も聞いて、ああどこの業界も似通っているところがあるのだなぁと改めて感じました。
手品って芸は特殊かもしれないけどそこに住んでいる人々が特別ってわけじゃないですからね。いや、普通じゃないんですけど。
◇◆
全体を通して解説されたトリックも面白いものがありましたし、ちょこちょこ挟まる細かい注意点も参考になりました。楽しいレクチャーだったと思います。
あとやはりゆうきさん上手いなと。安定感があります。
難しいテクニックをごりっと簡単にこなす……というのではなく、基本的なテクニックや当たり前のことをしっかりと適切にこなす感じが。
またぜひ、札幌にお越しください。
ありがとうございました。
The Preference Engine
『The Preference Engine』 ,Tomoya HORIKI ,2017 ,書籍
2017マジックマーケットレビューシリーズの最終段は、ライフを生贄に手品を作り出す系マジシャン、もやしことふーこと堀木さんの冊子です。
・好きな技法の紹介(コツ含む)
・(もうそう)奇術構成論
・手品を言葉に変換する
+ボーナス
という構成になっており、手順の解説などはありません。
でもこれめっちゃ面白いんです。
好きな技法の紹介コーナーは、その知識から資料を交えつつ普通に参考になるコツなども記載されており、読み物として面白く、そして有用です。
奇術構成論については、「棲み分け」のお話を踏まえつつ、マニアをだますとは、不思議とはについて語っています。(ちょいと過激な表現もありますが)非常に面白い。
ここで語られているのは、非手品人に何を見せるか、どうやったらウケるか…という悩みに対する回答ではありません。そういう人は別の資料をみるとよろしいでしょう。
しかし「自分の手品をどのようにみられたいか」というのは少なからず意識すべきポイントで、そういった疑問の道しるべにはなるのではないでしょうか。
まあ僕もできていないんですけども。
手品の言語化についてのセクションは、「言語化」とはあるが、テジナをわかりやすく解説する方法! ではないです。
実際は技法の要素をどう分解し、どこが重要なのかを探る旅の方法です。
しかし言語化というのも嘘ではなく、今回ではリテンション・バニッシュを例に、スロー再生とほとんどの人がしたことがないであろう「早送り」にも焦点を当て、技法の違和感、技法の重要なところ、本人が「まあこんな感じにやるのが重要」となんとなくで捕らえているであろう部分に対する「言語化」を図っています。
面白いしか言ってないけど面白いです。
ボーナスとしてはあたまを使う技法「脳みそ技法」が紹介されています。
やってみました。
がんばれそうな気がしないでもないです。
ちなみにガイガーカウンターカードが題材です。
いやー面白い読み物でした。
実体版はもう絶版で再販予定はないそうです。でも電子版はあるので気になった方はぜひ読んでみてください。お勧めです。
最後にこの本に書かれた言葉を引用してレビューを終わりにしたいと思います。
『あなたの手品は誰に見せたいのですか?』
『またそれは、どのような驚きを与えたくて考えたものですか?』
天変地異
『天変地異』 ,脇坂将太 ,2017 ,書籍
マジックマーケット2017で頒布された、あるギミックデックとそれを用いたルーティンのレクチャーノートです。
あるギミックデックは感想書くとタネに直撃しそうなので書きませんが、自分で好きなデックに加工して作ることができ、作業もそこまで大変ではありません。
これ自体もなかなかにすごいのですが、解説されているルーティンが秀逸です。
前書きにも書いてありますが、「マジシャンをだます」という強い意志が伝わってきます。
"不可能への挑戦"というトリックでは
・カードは54枚そろっている。同じカードはない。
・ノーシステム
・ノーフォース
・ノーグリンプス
・ノークリンプ
・ノーサクラ
・ノーコントロール
上記を満たしたまさに不可能ともいうべきカード当てが解説されています。
漫画『マジック・マスター』がクレジットされています。なぜかちょっと笑ってしまいました。
"Out of Sight, Out of Mind"の改案である"Far from Eye, Far from Heart"も面白く、クリーンな形を観客に提供できます。余談ですがこのマジックのタイトルを"Fat from Eye, Fat from Heart"と誤読していました。すいません。
ほかにもテンカードポーカーディールやドゥーアズアイドゥプロットのマジックなど合計9点のトリックが解説されています。
そして自分のイチオシは"ワキワキ・カードロケーション"です。
すごいふざけているようなネーミングですが、内容は本当にすばらしい。
ワイキキ・カードロケーションの改案で、原案の難点とも言うべきポイントをきれいに解決しています。
最後はいわゆるトライアンフ状態で終了することができます。素敵。
あまり細かくかけませんでしたが、ギミックデックを作成・使うことに抵抗がない方ならかなりおすすめできます。
いやー不思議。これ読む前に演技見たかった……